それはともかく、まずは、1月16日木曜日、京都市左京区の福田屋さんから百万遍 近辺の散策。今年初めての訪問となりました。学区は異なりますが、自転車で行ける 距離ですので、よく行く近所の古本屋さんの一つです。ここも買う時と買わない時の 落差がかなりあるように思いますが、今回はほんの少しのまとめ買い。蒐集分野とな っている死の問題に関する一冊として、柳田邦夫『「死の医学」への序章』新潮社。 ロングセラーのためか、定価の半額以下でした(\1300→\600)。福田屋さんの値段設 定は、必ずしも高いとも言えないのですが、こういう値段設定は珍しく、吉本隆明『 良寛』春秋社(\2000→\1200)のような値段設定が多いように思います。この吉本隆明 の本、安い店だと300円くらいで売っていますが、高いところだと1400円くらいでし ょうか。欲しかった本ですし、まぁ買おうという感じで、今回も購入することにしま した。福田屋さんでの買い物はこういう感じが多いように思います。あと、ほとんど 新品の岩波文庫で、永井荷風の『珊瑚集』(\460→\250)、『すみだ川・新橋夜話』 (\570→\290)。私はこういう新品同然の岩波文庫を見つけると、ほとんど物欲の鬼と 化して、購入してしまう傾向にあります。この荷風の2冊も、岩波文庫版の奇麗なの を持っていないので欲しくなったのですが、この2冊を今から読みかえす可能性は、 ほとんどゼロに近いのかもしれません。はっきり言って、コレクションのためのコレ クション、物欲、所有欲の世界です。
次ぎは吉岡書店。ここは学術書関係の品揃えのレベルは、京都で一二を争うと思い ますが、福田屋さんよりも値段設定が高めなことが多く、最近はほとんど購入してい ません。サービス券を発行してくれますが、私はこの手のものをすぐに紛失する傾向 にありますので、今まで溜まったことがありません。本店のほうも、いろいろ欲しい ものがありましたが、吉岡書店で見つけた本は、福田屋さんにも出ることが多いので、 余程のことがない限り、私は購入を見合わせています。今回も同様、何も買わずに店 を出ました。東隣にある臨時店舗へ行くと、哲学特集。ハイデガーのものなどかなり 売っていました。MAX NIEMEYER社版の『Sein und Zeit 存在と時間』が2800円。かな り古びた本で、熱心な書き込みがありました。一般に書き込みは嫌われる傾向にあり ますが、この本の書き込みは、先達の読解の労苦の記録として、大いに勉強させられ るもので、この書き込みを見るだけでも、この本を買う価値があるような気すらしま した。泰俊氏なら、きっと購入されたかもしれないと思いながら、2800円という値段 のゆえに購入を断念しました。もっとも、現在新刊で買っても、4000円位しますので、 そんなに高いともいえないかもしれません。私は不勉強な学生でしたので、ほとんど 新品同然のものを後生大事に持っていますが、本もここまで読み込まれたら、きっと 出版された意義も出てくるのかもしれません。あと、現在も刊行中の『ハイデガー全 集』(独文)の既刊分46冊が27万円。これもお買得な逸品です。でもいったい、どん な人が手放したのでしょうね。どなたか、ご専門の方がお亡くなりになったのかもし れませんね。
次の週は、とりたてて特記事項はなく、2月1日(土)が、久々のBOOK OFF探訪となり ました。この日、大阪に車で出向いたのですが、ぼんやりしていて、前の車につられ て、普段右折することない道を右折してしまいました。高槻市内の国道171号線、八 丁畷の交差点です。まぁ仕方がないので、そのまま旧道にでも出ようと進んでいくと、 なんとBOOK OFFを発見したのでした。災い転じて福と為すとは、まさにこのことです。 といっても、時間もあまりなく、場所を確認しただけで、茨木市から、近畿自動車道 路へと入りました。
最近、帰り道は、奈良方面を遠回りしてドライブしながら、BOOK OFFを密かに探し ているのですが、今回は高槻で見つけたので、勿論、171号線経由で帰路につきまし た。午後9時頃でしたが、なんと駐車場は満員、少しその辺をまわってくると、空き があり、ほっと一息。BOOK OFF高槻別所店とのこと。郊外の住宅地だと思います。中 に入ると、相変わらず本は沢山ありました。BOOK OFFでは、単行本の均一コーナーか らまわることにしていますが、なんと早々に『宮脇俊三対話集 ダイヤ改正の話』を 発見。宮脇さんの本は、一級蒐集分野ですので、さっそく購入を決定しました。しか し、その後がありません。
私は古書に限らず、何かを買う時は、高い品物は別にして、どうも一つ二つだけレ ジに持って行くのが苦手でして、ついつい、ついでに買うものを探してしまいます。 例えば、京橋の駅のパン屋で20円のミニクロワッサンを買う時も、本当は2つでも十 分なのですが、5つぐらい買ってしまうといった具合です。古書の場合も同様でして、 100円均一の本1冊というのは、どうも遠慮を感じてしまいます。それゆえ、ついでに 買ってもいい本を探すのですが、どうしても、ついでに買う本が見つからなければ、 はじめに欲しいと思った本の購入を諦めてしまうこともたまにあるぐらい、均一本1 冊だけをレジに差しだすことに抵抗感を持っています。特に、BOOK OFFの場合は、サ ービス券の関係から、1000円をめどに本を買おうと思っていることもあって、まとめ 買いの傾向にあります。
今回も探しました。単行本の均一コーナー、文庫の均一コーナー、漫画の均一コー ナー、CDの均一コーナー、くまなく見て歩きましたが、欲しい本がありません。百 円漫画で『NHKまんがで読む古典 更級日記』角川書店を一応チェックしました。 菅原孝標の女ということしかわからないので、「私の名前はサラちゃんでいいの!」 と、サラちゃんの更級日記という発想は面白く思いましたが、敢えて漫画だからどう だという程でもないような気がしました。あとは、こんなに沢山の本があるのに、欲 しい本が見つからず、たとえ百円であっても、要らない本は要らないというのも不思 議な気がします。半額コーナーでは、欲しい本もあり、100円分のサービス券を使う ので、1100円分、選りに選りました。インドのヒジュラについての『性なき巡礼』集 英社(\980→\500)、河出文庫で『艶本江戸文学史』(\780→\400)、これで、1100円と なり、レジへと向かいました。1時間半近くいたようです。ところがなんと、レジの アルバイトが金額を打ち間違えてくれ、税込みで721円となりました。値段が高くな る打ち間違えの時もよくありますので、私は出来る限り最大限の注意を払っているの ですが、見落としてしまって、家に帰ってから気が付くこともありますので、得する 時は黙って店を出ることにしています。有り難いことです。
関西のBOOK OFF、京都・奈良・滋賀県と廻ってきましたが、大阪ではこの高槻別所 店が初めての店となりました。私としては、滋賀や奈良のBOOK OFFの方が、品揃えの 趣味がどういう訳かあう感じで、たくさんの欲しい本の中から本を選ぶのに苦労しま したが、ここではせっかく来たからには何か買って帰らねばという感じで、本を選ぶ のに苦労しました。これは全く私の勝手な感想です……。