小学生の頃、裏庭でよく一人で砂遊びをしていたが、 とある夏の昼下がり、蝉の声ばかりがまわりに響いていた。 誰の姿も見えず、ただ聞こえるのは、蝉の声ばかりである。 その時、私だけがこの世に取り残されてしまったのではないかという 妙な不安感に襲われたのを今でも鮮明に覚えている。 その感覚は、どこか底なしの不安感であると同時に、 魂が自分から抜けだし、喧噪の静寂の中で浮遊していたようなそんな気がしている。