まずは、2/24(月)、枚方市。京阪交野線宮之坂駅前の「古本のバンバン」。郵便局なども 入った小さな雑居ビルの2Fの店でした。古い古本屋地図を見ると、「宮之坂古書 センター」という店があったので行ってみることにしたのでした。この「古書セン ター」という名前、勝手な想像ではありますが、「神田古書センター」のように、 どこかまとまったものがあるのではないかと思ってしまいます。店は普通の古書店、 2軒分。手前は漫画や文庫本など、奥の店は一般的な品揃え。しばらく見ていまし た。「現在思想」の端本380円、「imago」の端本350円、「國文學 解釈と鑑賞」の 端本280円と雑誌の端本を少々購入。たまたま欲しいと思っていた号がありました。
イズミヤ方面に支店があるとの看板があり、行ってみることにしました。こちらは 奥深い店で、文庫本と漫画が中心。かなり品物を集めているように思いました。そ の店の向かいに、別の古書店。明るく大きな店でしたが、CD、ビデオ、漫画が中心 で、日焼けした品物も多く、こちらは一目見て、これは素人商売だなという気がし ました。店にふらりと入って受ける印象というのは、まことに不思議なものだと思 われます。
歩いて京阪枚方市駅に戻り、次ぎは香里園。電車の中から見えていた「関西ブッ クセンター」ヘ行くためでした。線路沿いを色々歩いてみましたが、よくわかりま せん。確かこの辺で見えていたと思うビルを見つけましたが、店があった2Fは空 き部屋になっているようでした。移転したのだろうかと、もう少し歩くと、新しい ビルに「関西ブックセンター」の看板がありましたが、閉まっています。何でも堺 のほうに支店を出したので、2月末まで休業中とのことでした。残念です。その道を少 し歩くと、小さな古書店発見。一巡したのみでした。まだ駅からそう遠くないようで、 自転車に乗った人とかなりすれ違います。さらに、道を進むことにしました。夜なの で周りの状況はよくわかりませんが、旧街道なのかもしれません。
しばらく行くと、ジャスコグリーンシティーに出ました。京阪電車の車窓からいつも 見ている建物ですが、駅からかなり離れているようです。入ってみると、チャリテ ィ古本市の案内がありました。どんなものでも1冊10円で引き取り、100円均一で放 出するそうです。(杉山氏のレポートによれば、松本のジャスコの場合は、現金で はなく、ジャスコのお買い物券とのことでしたが、こちらはどうだか知りません)。 このまま香里園に戻るのも芸がないので、つぎの駅まで歩いてみることにしました。 京阪の車窓からはいつも古びた団地が見えているのですが、実際歩いてみると警○ か何かの官舎のようです。おそらく築20年は経っているでしょうが、この周りにた くさん残っている木造モルタル二階建の文化住宅と比べれば、当時としては、この 官舎などは夢のような新住宅だっただろうと思われます。現在、建て替え準備中の ようで、空き家のようなところも目につきました。京阪電車が走り抜ける音が響く だけのそんな静かな夜の団地を歩くと、なんだか不思議な気がしてきます。そのう ち、商店などがある一般道に出ると、京阪寝屋川市駅はすぐでした。ここの駅の近 くにも古書店はあるとのことでしたが、もう遅いので散策は打ち切りとしました。
次ぎは山内書店、こちらは京阪電車から見えるので、何度も来ています。本も多 いのですが、どういう訳か、いつも何も買わない感じです。以前2F(裏から見れば3F) にも上がれましたが、今回も閉まっていました。
京橋はこのぐらいにして、京阪に乗って森小路へ。この近辺、古書店地図にはど ういう訳だか、地図まで載っているので、一度じっくり行ってみようと思い続けて いたのですが、今回やっと実現しました。実はこの辺りは、以前数年間、家庭教師 で通っていたことがあり、あちこちをぶらぶらと歩き回っていたことがありました。 当然、古書店にも何軒か入ったのですが、取り立ててた印象もなく、何か買った記 憶もありません。そのうち、この街にも来ることもなくなり、いつも京阪の車 窓から眺めながら、またそのうちに一度歩いてみようかと思い続けておりました。 そして、ここ数年、ますます古書店散策の趣味が昂じて、もう一度あの近辺を歩い てみたいという思いが積もってきたのでした。
薄暮の森小路駅に降り立ち、通勤帰りの人ごみに混じって歩くと、毎度のことな がら、どこか不思議な気がします。みんなそれぞれの家路へと急ぐ中、この地に縁 もゆかりもない人間が、古書を探すという極めてマニアックな理由で駅を降り、街 を彷徨っているのですから、どこか場違いな感じがするのかもしれません。こうい う何の変哲もない駅で途中下車する時は、駅員に不審者と思われるのではないかと いう気すらしてきます。
小さな商店街を抜けて国道一号線へ出ると、国道沿いに千賀書店、木曜休店との こと。残念です。来たことがあるのかないのか、記憶は定かではありません。少し 行くと次ぎは、尚文堂書店。昔ながらの古書店という風情で、少し暖かいとはいえ、 ドアがなく、開け放たれていました。表は国道一号線で相当車通りがあるので、埃 などかなり入ってくるだろうといらぬことが気になりますが、本はきれいに整理さ れ、背のところに値札がつけてあります。品揃えもきちんとされている感じで、ど こか世田谷の江口書店を彷彿とさせました。
千林商店街に入ると、様相一変。商店街のテーマ曲も流れ、とても賑やかになり ます。すぐに、川端書店と楠書店がありますが、ここは何度か来た覚えがあります。 どちらもそれなりに本がたくさんありました。今回も一巡したのみでした。いつも のことながら、ここに来ると、商店街のパワーに圧倒されてしまいます。この千林 商店街は、京阪の駅から入ると、曲がりくねったアーケードの商店街が続き、迷宮 に入り込んだ気になります。始めてここに来て以来、こういうアーケード形式 の商店街としては、おそらく世界一大きな商店街ではないか勝手に思い込んでいま す。アーケードの商店街というのは、中東やインドのバザール形式の集合店舗とは また違った趣がありますが、いずれにしろ、こういう所をぶらぶら歩くことは、い つ来ても飽きない気がします。
千林商店街からアーケードが続いている今市商店街に入ると、人通りが少なくな り、空き店舗も目立って、急に雰囲気が変わってしまいます。そこを進むと、空閑 文庫。シャッターが降ろされていました。さらに行くと、山口書店。ここは以前に 来たことを覚えています。奥行きのない二列通路の店で、老夫婦が店番をされてい ました。おそらく何もないだろうと軽く店内を一巡すると、なんと大収穫の予感で す。私が修士論文を書いた時に参考にした文献が大量に出ています。もちろん私が 売りに来た訳ではなく、そもそもそれらの中にはコピーのみで済ませたものもあり ます。今さら買っても仕方のないものもありますが、今後のためにと欲しくなる本 もあります。値段が高ければ、おそらくコピーを持っている以上、購入することは ないのですが、邦訳「カント全集」などは是非とも手に入れておきたい書物といえ ましょう。
今回購入することにしたのは、『カント全集 第九巻 宗教論』理想社、 1987年6刷発行のものが1500円。定価は4400円ですし、たいていこの手の全集は、 端本でも定価よりも高いことがあることを思えば、極めて良心的な価格設定である といえましょう。この他は解説本などを若干購入。どれも破格値だと思いました。 例えば、『現代宗教思想のエッセンス』ぺりかん社1969年(\1280→\600)、最近改 訂版が出たので他店では100円均一本に並んでいる可能性もありますが、あまり見 かける本でもない気がしたので購入決定。西谷啓治他『哲学とは何か』創文社1967 年(\700→\350)は、同シリーズの『ニヒリズム』創文社を他店にて100円にて購入 しましたので、これもその可能性を待つことが出来るのかもしれません。以前から 『宗教とは何か』を探求しているのですが、名前は似ていても『哲学とは何か』の 方は単なる凡作の解説書だったのかもしれません。トーマス・ベルンハルト『ヴィ トゲンシュタインの甥』音楽之友社(\1900→\400)、ベルンハルトによる自伝形式 の物語で、あのウィトゲンシュタインとはあまり関係はないようです。あと、『聖 書』日本聖書協会1988年(\1500→\500)、吉田光邦『世界の宗教5 掲示と実践 イスラム』(\750→\200)などと、実に様々買ってしまいました。今から思えば、こ れらはすべて、「カント全集」につられて買ってしまったようでもあります。
散人