若きより俗に適うの韻なく、性もと丘山を愛す。
事外に寄せ、おもいを委ぬるは琴書にあり。
褐をきて、よころこんで自得し、しばしば空しきも常に晏如たり。
戸庭に塵雑なく、虚室に余閑あり。
野外、人事まれにして、窮巷、車馬もすくなし。
白日に扉を閉ざして、居室に塵想を絶つ。
時にまた墟曲のうち、草をひらいてともに来往す。
相見て雑言なく、ただいう、桑麻長びたりと。
閑静にして言少なく、栄利を慕わず。
書を読むことを好めども、甚解を求めず。
意に会するもの有るごとに、すなわち欣然として食を忘る。
箪瓢しばしば空しきも、晏如たり。
常に文章を著して自ら娯しみ、いささか己が志を示す。
懐いを得失に忘れ、此を以て自ら終る。
(参考:五柳先生傳・帰園田居・始作鎮軍参軍経曲阿作)