パラントの世界
個人主義の感性は、俗にいう利己主義とは全く別ものである。
平凡な利己主義者は、どうしても世の中に出たいと思い、
つまらぬ出世主義に満足する粗野な感性である。
それは社会と接触することについて、社会の虚偽について、社会の偏狭さについて、
まったく悩みを持たない。
逆にそれは、そのような環境の中にあって、水の中の魚のように生活する。
パラントのいう個人主義は、ある種の孤高の精神をもとにした
一種の隠遁思想のようなものであり、
彼は、個人主義を利己主義から区別します。
個人主義は、何を個人主義と呼ぶかによって、
その意味内容は大きくかわってきますし、
利己主義も、その定義内容によっては、
必ずしも否定されるべきものでもありません。
しかし、ここではこれの言を尊重して、
とりあえずそれを区分するところから、
話を始めることにします。
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