Labyrinth
私は別にこれといって
なすべき義務責任も何もない
いわば隠居同様の身の上である。

その日その日を送るに
なりたけ世間へ顔を出さず
を使わず 相手を要せず
自分一人で勝手に呑気に暮らす方法をと
色々考案した結果の一ツが
市中のぶらぶら歩きとなったのである。

(荷風『日和下駄』)


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