奥の細道

月日は百代の過客にして、行きかう年も又旅人なり。
船の上に生涯をうかべ、馬の口とらえて老をむかふる物は、日々旅にして旅を栖とす。
古人も多く旅に死せるあり。予もいづれの年よりか、片雲の風にさそはれて、漂白の思ひやまず。

流れゆくもの、それが時であり、旅である。
この世に確実で絶対的なものなど存在しないのだということを見事に表象している。
風というのも定かならざるものである。
死は、人間に有限性を突きつけ、実存を開示する。
漂白の思いやまず……、それはどこか彼岸への誘いのように思われる。
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