旅の手紙 タイ、インド、ネパール 1992年


満月のタージマハルとぼったくりリキシャー アグラ〜ヴァラナシ

 昨夜アグラを夜行で立ち、ヴァラナシにやってきました。列車は1時間ほど遅れた ので、十六時間余り乗っていたことになります。2等の寝台車にしたのですが、乗り 心地は最悪で、さすがに疲れてしまいました。まわりは欧米人旅行者が多く、和やか な雰囲気で安心していたのですが、早朝からインド人が割り込んできたりして大変で した。

 先日、アグラにて誕生日を迎えましたが、満月の浮かぶタージマハルを見ながら、 その一夜を過ごそうかと思っていたのに、散々な一日となりました。というのも、し つこい客引きのためにすっかりこちらのペースを乱されてしまったのです。駅でオー トリクシャ(三輪のスクーターを動力とする小型タクシーで、タイでいうサムロー・ トゥクトゥクと同じ)の客引きを振り切るところまでは、万国どこででもある話です。 アグラでは私が宿屋へ向かおうと歩いていると、しつこくどこまでも追っかけてきて、 つきまとってくるのには、本当に閉口しました。それが、一人や二人ではなく、同時 にオートリクシャ一台と二台のサイクルリクシャ(自転車で動かす人力車)の運転手 が私の後をついてきたこともありますし、三十分近く色々な雑談を交えて、つきまと ってきたサイクルリクシャのじいさんもいました。みんな言葉巧みに、どこから来た かとか、どんな仕事をしているのだとか言った雑談から、日本はいい国だとお世辞を 言ったり、日本に友人がいると、片言の日本語をしゃべったりして、親日家を装った りします。なかには、とても親切にしてもらって有難う、などと日本語で書かれた手 紙を見せる客引きもいて、驚きました。どれも日本人が本当に書いたもののようで、 住所や名前、大学名が書いてあったりしますが、そういった手紙を見ず知らずの人に 見せびらかして、客引きの材料に使う自体がどことなく胡散臭く思われます。第三世 界を旅していると、文通してくれと言われたり、住所を教えてくれと言われたりする ことが良くありますが、そういったことに使われたりすると思うと、ぞっとします。

 客引きは、そういった親切さ、親密さを全面に出しながら、いいホテルを紹介する とか、市内観光に案内するとか言うのですが、目的はマージン目当てというのが、事 実のようです。とはいうものの、全く悪質な連中ではないのでしょうが、過度の親密 さやなれなれしさ、見えすぎたお世辞は、好きになれません。それに、彼らは、親切 を装っているにもかかわらず、肝心のこちらが聞いたことには、まともに答えてくれ なかったり、嘘をついたりするので、信じるに値しないのでしょう。これは、私の猜 疑心の強さが原因であるというよりも、他の旅行者の見解とも一致するようです。一 方、こちらからみれば、あきらかにお金目当てに近づいてきたとしか思えないのに、 騙されていることに気付かず、親切にしてもらったと喜んでいる人がいたりもします。 私のような考え方は、下司の勘ぐりであって、大きな心を持って、純粋にインド人と 接すればいいと、その人たちは考えているようです。人それぞれですが、私には到底 出来ない思考であるようです。  (ヴァラナシ I・M 92.2)


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