愛書家パティオログ 1998年1月〜12月



00112/00113 GHF00401  OYAGI       最近読んだ本
( 1)   98/01/18 08:39

 年末年始の読書。

 江戸物・明治物の、あるいは随筆など読書傾向が最近とみに集中化しております。

 ◯明治東京逸聞史 森銑三 東洋文庫 
  当時の雑誌・新聞から、面白い出来事やらへぇぇという事件やら、紹介されていま
  2巻本で、定価5400円、古書価2000〜3000円ですが、伊勢丹古本市で
  1000円で、購入しました。

 ◯摘録断腸亭日乗 永井荷風 岩波文庫 
  岩波書店から確か5巻本で出ていた、荷風の日記を抄録し再編集したものです。
  とは言っても500Pの2巻本。しかし、「後を引く」本で、わずか1日で読破
  してしまいました。荷風先生の一人暮らしの、さながら世捨て人の眼から、明治
  から大正、暗黒の昭和・敗戦、混乱の戦後、これらを「スケッチ」しています。
  しかし、彩りとして添えられた、芸者やら玉の井やら浅草ストリッパーやらとの
  先生の交流の数々よ。この本は、新年最初の高田馬場古書展で500円で購入。

 ◯甲子夜話 松浦静山 東洋文庫
  平戸藩主、松浦静山が、聞き及んだ風聞やらを丹念に書き留めた本です。東洋文庫
  版では、本編6冊、続編6冊そして三編と銘打った続々編が6冊、都合18冊とい
  う構成で、かなりの大部な本です。
  このうちとりあえず「本編6冊」を神田古書会館での新年はじめての古書展で確保
  新刊だと1万5千円超が5000円でした。これは、続編・三編と揃えて、なんと
  か年内に読破したいと考えております。

  さらに東洋文庫では「謙堂日歴 全6巻」そして「武江年表 全2巻」これらも、
  是非とも入手・読破したいと考えています。

  さて、今年はどんな本に出会えて、どんなお話を読めるか・・・・。


00113/00113 CXK02012  クレイン         ホッとしてます
( 1)   98/01/19 10:49

 大雪でしたね。私事ですが一年忌すみ、ホッとしたところです。
昨夜は、遅ればせながら、湯船にて
「こちらロンドン漱石記念館」、恒松郁生、廣済堂出版、H6をパラパラ。
著者恒松氏は当パティオでもお馴染みの館長です。自伝風に綴られています。
恒松氏のお人柄が行間から伝わる、暖かい御著書です。なにしろ、当初は
氏の現地にての貴重な蒐集資料を聞きつけけた研究者の訪問にまかせて、次
から次へと、無料で応対していたとのことですから、それは大変なことです。
しかも、発見することすら手間のかかる新資料がいくつも備っていたのでし
ょうに、訪問者にとっては、この上ない宝島だったのありましょう。応対そ
のものも、結構面倒なものです。こんな資料を自分だけの掌中に留めずに公
開するなんてとこは、やはり氏のふところの大きいところなのでしょう。(入
館料も採算無視のようです)
 朝夕新聞配達他をしながら大学に通った苦学生が、英国のホテルマン・バイ
トをしながら、各種語学をマスター実践してしまうあたり、今日の学生時に読
んだら、勇気つけられることでしょう。この点、励まし本でもありました。
  帯を除けたら、帽子を手にした漱石が描かれた綺麗な外装です。


00115/00116 VEB02220  天縁             鴨川を散歩がてら
( 1)   98/02/02 21:55

 すでに大学の試験も終わり、春休みに入って暇になっている私は、「関西ウォー
カー」か何かに載っていた蕎麦屋を訪れんと、北山に赴きました。蕎麦どころ育ち
の私にとって、京都の蕎麦はどうも感心できないのですが、それでも美味い蕎麦を
求めてついフラフラと蕎麦屋に赴いてしまいます。確か、「田ごと」という蕎麦屋
だったと思ったのですが、ここの蕎麦はなかなかでした。たれは甘すぎるし、噛ん
でて余り味がしなかったのですが、きちんとコシのある蕎麦でなかなかおいしかっ
たです。やはり、蕎麦は機械で打ったものは全然おいしくないので、まともな手打
ちの蕎麦を食べれて満足でした。
 さて、蕎麦屋の近くには鴨川が流れており、川の両岸は河川敷になっています。
空が青く澄み渡り、暖かな日差しが差しているそんな午後は、なんとなく散歩をし
たくなってしまいます。植物園に行こうかと思っていた私は、計画を変更して川っ
ぺりを散歩することにしました。鴨川は、川底を全部コンクリートにされてしまっ
て、底も浅く、川というよりも大きなドブ川という感じなのですが、それでも様々
な鳥たちがそよそよと泳いでいたりもします。鴨がスーッと水に流れていく様を見
ながら、いつもとは違う風景の中を歩くのを心地よく感じて、歩き続けました。
 鳥などの人ではない生き物を見ていると、この生き物はどんな風なリアリティー
を持って生きているのかと、ふと不思議になったりします。飽きることもなく、水
の上でジッとしている鳥たちを見ると、彼等には「暇」という感性はないのかなど
と思います。人ならば、何もせずにジッとしているのは耐えられないし、ジッとし
ていたとしても頭の中では様々な想念が浮かんでは消えたりしているわけです。し
かし、彼等は何を思ってああしているのか、餌を採りたいなどという考えを頭の中
にめぐらせているのかと不思議な思いがします。しかし、人ではない全く異質な生
き物が、現に生きているというのは何となく、私にとっては奇妙な気はするものの
楽しいことのように感じられるのです。
 などと愚にもつかないことを考えながら、私は河原を歩き続けます。一見単調に
思えても歩いていると、鳥が空を舞っている様や、水の流れに従って水底をゆらゆ
らと揺れる光の文様や、鉄骨と数限りない鋲で出来た橋の下の見慣れぬ風景などが
次々と目の前に現れては消えて、様々な風景を見ることができるので飽きることが
ありません。私は歩くことが、とても楽しかったので、このまま河原町まで歩いて
しまおうと思いました。
 そんな風にのんびりと歩いていると、下鴨神社を過ぎ、高野川との合流地点まで
やってきました。ずいぶんと歩いたもんだと思いましたが、ここで思いついたのは、
もうすぐ河原町今出川だということです。河原町通りは、川のすぐそこに走ってい
るので、今出川にある善書堂に寄ろうと思ったのです。

 さて、善書堂ですが、ここは京都でも屈指の大きな古書店で、完璧に整理された
美しい棚が特徴の店です。古書店というのは、たいがいあちこち本が積み上げられ、
雑然としているものですが、この店では一冊もそんな本はなく、全ての本がジャン
ル分けされて整然と並んでいます。本が探しやすいのは良いのですが、私などは多
少雑然としていた方がなんとなく性に合っているようで、今一つ馴染めなかったり
します。
 善書堂が扱っている本は、人文系統全般で、各分野満遍なくそろっている気がし
ます。値段は、わりと高めで、定価からそんなに値段を引いていません。余り、掘
り出し物があるという雰囲気ではありません。ですから貧乏な私としては、ここで
買おうと思うのは、他ではなかなか見つからないような本くらいに限られてしまい
ます。
 以前一度来たことのあったこの店ですが、前回は結局一冊も買わず終いでした。
今回はどうだろうと思って店の中を見て回っていたのですが、文学の棚、整然と並
ぶ本の上に差し込んであった一冊の見慣れた装丁の本が目につきました。その本を
手にとってみると、新書館のフォア・レディースの中の一冊、ピエール・ルイス作
の『ビリティス』でした。装丁は淡いピンクを基調にしていて、表紙と化粧扉の写
真が少女写真の大家デビット・ハミルトン、中のイラストレーションは宇野亜喜良
といういやらしさ!この本を作った編集者の方は、大変良く分かっていらっしゃる
と言う他無い出来です。本編の詩は余り興味がないのですが、宇野亜喜良のデモニ
ッシュで頽廃的なエロティシズムを放っているイラストレーションを見ているだけ
で、私は満足です。
 以前HPの方でフォア・レディースの話題を出してから、何度かこのシリーズの
本を見かけたのですが、やはり結構プレミアがついていて(だいたい、1500〜
3500円位の間)買うには到りませんでした。今回もかなりプレミアがついてい
るんだろうな、と思って値段を見てみるとなんと500円でした。状態は、197
7年に発行されたことを考えれば完璧に近く、もちろん私はこの本を購入しました。
 さて、再び川に戻り河原を歩いたのですが、鴨川沿いと言えば丸太町通りにも古
本屋が何軒かあります。もちろん、私は丸太町通りにたどり着くと、古本屋に向か
いました。
 始めにやって来たのは、川瀬博文堂。この店は、もはや末期症状の古本屋で、本
は余り整理されておらず、本も手入れがされておらず汚く、文庫や漫画などがあち
こちにグチャグチャと積み上げられています。店内は暗くて汚く、余りお客さんが
近寄りそうにありません。そんな店ですから、さすがに値段はかなり安く、欲しい
本が見つかれば、比較的安い値段で買うことができます。私も棚をざっと見たので
すが、大学の図書館で見てずっと読みたいと思っていたフランセス・ムア・ラッペ
とジョセフ・コリンズ著の『世界飢餓の構造』を見つけました。1988年に出た
本なので、結構古いのですが、定価の半額の1500円だったので、購入しました。
 次に、文京堂ですが、ここも川瀬博文堂と同じような雰囲気の店で、余り期待は
していなかったのですが、田中雅夫著の『写真130年史』がありました。写真の
歴史に関する本は余り見かけたことがなく、今一つ流れが良く分からないので、そ
んな私には嬉しい一冊でした。値段も1977年当時の定価1800円が1000
円と、かなりお買い得だったので、これも購入しました。
 次に以前も紹介したことのある今村書店に行ったのですが、残念ながら収穫はな
く、棚を眺めただけで店を出ました。

 そうして、何軒かの古本屋に寄りいくつかの収穫を得た私が再び河原に戻ると、
もう黄昏が近づいていました。昼間は暖かかった風も冷たくなり、太陽の光も弱ま
り、オレンジ色になっていきます。対岸の建物のガラスにオレンジ色の光が反射し
て、辺りをオレンジ色に染めていきます。遠くの山も、しだいにもやけて、霞んで
いくようです。乾いた土気色をした河川敷も、次第に寒々しく感じられるようにな
っていきます。散歩に連れられ、はしゃいでいる犬とすれ違ったり、次第に暗くな
っていく空を見ながら、私はついに河原町に着きました。
 河原から階段を登って街に出ると、今までとは全く違う風景が広がっていました。
行き交う多くの人々、色とりどりに光る照明、屹立して視界を遮る雑多なビル、今
まで私が歩いて来た風景とは余りに違います。しかし、私はそんな街の中を、背中
に手に入れた今日の収穫の重みを感じながら、歩いていくのでした。

                            VEB02220  天縁


00116/00116 CXK02012  クレイン         CD も出てますね。
( 1)   98/02/04 10:19

 新潮社のインターネツト・ホームページ「Web新潮」の[幻の名作全文掲載]のコー
ナーでの伝永井荷風作「四畳半襖の下張」完全公開がCD化されましたね。
。野坂昭如氏の肉声コメントもそのまま。今回は女性ナレーターの朗読もしてます。

無削除版/幻の2大奇書
「四疊半襖の下張」伝永井荷風作
「赤い帽子の女」伝芥川龍之介
◎「四疊半襖の下張」伝永井荷風
野坂昭如氏が熱心に語りかける解説実声
と「四疊半襖の下張」裁判判決文付きです。
女性ナレーターの完全朗読付。
◎「赤い帽子の女」伝芥川龍之介作
はこの度、初めて伏せ字なしで公表された
ものです。

 ところで、今回は<わいせつ文書>とみなされず、未だ無事に継続販売されてるとこ
見ると<わいせつ文書>ではなくなったのかしら。当時は、依頼により、どんなものでも
委託販売する新宿の<模索舎>までコピー摘発されたのに。いまでも<模索舎>あるん
ですね。雑誌<ガロ>の地下本特集で見掛けました。小生、一昔前に出向いた折、確か週
刊「プレイボーイ」?に連載中に天皇の描画をめぐ、突如に連載中止になった、共産党史
劇画の一括掲載本を購入しました。書き換え前の作品も載せて、裏表紙は<眼に指をおし
つけてアッ
カンベーした写真>ありましたっけ。
 まだ分りませんが、今日は問題なく、当時は駄目だったのですから。発禁・「面白半分
」野坂昭如編集、昭和47年7月号が回収されて、既に20数年たちました。この20数
年の間に<わいせつ>の概念が変化したのでしょう。ともかく、我国において、一般国民
が読んでは
マズイものが、読んでもサシツカエのない文章になりました。それは個人レベルでも同様
で、かって起訴した人間にとっても、<わいせつ>文章ではなくなったということです。
これ事件の質によっては、冤罪になりかねない態のもんですが、まあ世間一般の<わいせ
つ>基準が
変化したというところでしょうね。まさかCDだからヨロシでも、ありませんからね。
 小生、かって「愛のコリーダ」大島渚,シナリオ+スチール,三一書房,2000,1976,6,15を購入して
ますが、パラパラしてみても、何がいけないのって感じでした。もちろん、一時的な販売
停止後、問題なしに市販されましたけれど。
 ケチ付けられた大島氏の怒り、もっともな話しです。
ところで新潮社のCD、1500円とお買い得。


00117/00117 GHF00401  OYAGI       RE:鴨川を散歩がてら
( 1)   98/02/08 08:48  00115へのコメント

>天縁さん

 フオーレディース版「ビリチスの歌」ですか、いいもの見つけられましたね。

 小生は「講談社学芸文庫版」の鈴木信太郎訳を所持しますが、端正なつくりの本で、
 一読後、書架に収めて、そして鎮座。たぶんずっと鎮座と思う・・。

 しかし、女性向けに編集されていた、このシリーズで「ビリチス」となりますと、
 貴兄のご指摘のとおり、内容に極めてマッチしたものと推察します。頻繁に取り出し
 て、しげしげと見ることになりそう。
 この版は、存在すら知りませんでしたので、これからは気にかけたいと思います。
 このシリーズ、よく100円均一的な棚で「読者の投稿詩集シリーズ」やら「ビート
 ルズ詩集」などは見かけますが、プレミアがつくものがあるだけに奥が深い・・。

 ルイスと言えば、戦後まもなく発行されたものの絶版となっていた「アフロディテ」
 が新訳で「平凡社ライブラリー」から1月に発行されています。原本にあった挿絵
 も随所にちりばめられており、古代アレクサンドリアへ遊ぶことが出来ます。

 所蔵済みの「ボソール王の冒険」「エスコリエ婦人の異常な冒険」「ビリチスの歌
 鈴木訳」そして「アフロディテ」後は生田訳の「女と人形」&「ビリチス」そして
 「アフロディテ 小松訳」を入手すれば、本邦訳は一応収集完了か・・・。


00118/00118 CXK02012  クレイン         珍しい広告案内
( 1)   98/02/13 11:50

 先日、某古書店の案外な価格付け全集端本をご紹介しましたけれど、
河出書房のカラー版「世界文学全集」(全38巻→全50巻+別2)
「説きふせられて・他(オースティン)」阿部知二訳。昭43年 河出書房をパラパラ
してたら、全集につきもの月報にはさまれて、文庫本サイズ<河出新刊ニュース5>が
ありました。2枚折8ページの小誌で、当時刊行開始の「ドストエフスキー全集」全2
1巻、永年秘蔵されていたブロックハウス版を元にした「カサノヴァ回想録」全6巻な
んか案内してあります。面白いのが、巻末の、読者の窓<おこたえください/おこたえ
します>のコーナーです。《ソルジェニツイン「イワン・デニソヴィッチの一日」は今
からでも手に入りますか。》のたずねに《お求めになれますが、ただ在庫が24部と非
常に少なくなっています。増刷の予定も現在のところございませんのでお早目にお求め
下さい・・なおみなさまからお問合せの多いもので残部の少ないものをお知らせしま
す。》
「地の群れ」井上光晴/残部218部
「一分間に一万語」ノーマン・メイラー/残部240部
「行為と死」石原慎太郎/残部820部
「特性のない男」ムシル全4巻/残部21〜109部/3巻はなし
「坊の岬ものがたり」水上勉/残部69部
「サド侯爵夫人」三島由起夫/残部882部
「伝統の庭木づくり」斉藤勝雄/残部74部
「増補古文書入門」高橋編/残部38部
「山猫」ランペドゥーサ/残部45部
「日本を考える」小田実/残部30部
「日本の民族」全111巻/残部3・4・9巻のみ少部
「世界の文化」全16巻/残部30〜500部
「トルストイ全集」全18巻/残部12巻464部
「赤い天使」有馬頼義/残部230部

と社内在庫の残部を公表してました。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ところで、先日B・C・Gをのぞいたら
集英社版「愛蔵版世界文学全集」が@200円でありました。全巻揃いかと思ったら
「バーナビー・ラッジ(デイケンズ)」だけ1冊抜けてました。だれか、買ったんでし
ょうけど。

「裸者と死者(メイラー)」
「アメリカの悲劇(ドライザー)」
「カラマゾフの兄弟(ドストエフスキー)」
珍しい一巻本特大巻なので買っときました。新訳ってこともあって。
「リルケ/カフカ」のカフカ<流刑地にて>は柏原兵三訳です。
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やはり、先日ご紹介の
河出書房「グリーンの世界文学全集」姉妹篇、
「サマセット・モーム選・世界文学100選」全5巻,河出書房新社,@290,S36
軽装・新装本になってます。
「サマセット・モーム編・世界100物語」全8巻,河出書房新社,@2500,1996〜1997
内容は全く同じものですから(もっとも、著者紹介のうち物故生年月日は改訂してます
けど)旧版外箱付5巻本はお得です。
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00119/00119 GHF00401  OYAGI       季刊銀花
( 1)   98/02/16 07:31

 一部に熱狂的なファンを持つ「季刊銀花」ですが、小生も時々、バックナンバーを
 買い求めます。現在20冊ほどでしょうか。陶器・布・人形・食べ物・書・画など
 などのジャンルの極上のものが毎号特集として掲載されていて、確かに楽しい内容
 です。季刊というあたりも、刊行を待ち望むファンの心をくすぐるものがあり「い
 いもの紹介本ビジネス」として完成された風格を感じさせる雑誌です。

 昨年末に刊行された「季刊銀花第百十二号」。全編、堂々たる「銀花調」の内容で、
 しかもヴェトナム吉祥画が一葉、全冊に挿入されていて、大サービスです。

 その美麗本でかつヴェトナム国ドンホー村の版画「牛の背中で少年横笛を吹くの図」
 も残った本を500円で購入。思いがけず、永田耕衣の遺著「自人」の刊行までの
 エピソードもあり、楽しく読みましたが、ユニーク古本屋さんが6件紹介されてい
 て、これも「ほほー」という内容でした。

 1.古本蟻地獄へようこそ   「蟻屋書房」目録販売のみの社会科学専門店 東京
   都内在住の人には目録送らないよという目録販売専門店の心意気!
 2.頑固親父は愛犬家で愛妻家 「石田書店」街の古本屋入門の著者の店   横浜
   「1.」の店長は、この本で触発され開業したとのこと。
 3.紅葉坂の梅の木さんは粋な店「梅の木書房」演劇専門店         横浜
   営業時間も短く、販売ジャンルも狭く、その分熱狂的なファンが来る店。
 4.新刊業界にもの申す    「あるご書店」新刊書店と同じ配列の棚   東京
   どんどん元気にチェーン店を展開していますが、本店店長は元新刊書店の店長。
   店員に、みっちりと仕入れ陳列そして各分野の基礎知識を教え込んでおり、
   奇麗な本が一律の物差しで値づけされ並ぶブック・××とは一味も二味も違う
   棚構成と編集子絶賛の店です。
 5.考える基本になる本を   「スコブル社」女子大生が開業した店    東京
   店名は、ご存じ「宮武外骨」編集の雑誌から。思想・哲学・サブカルチャー
   を中心とした本そろえは、自給自足とか。
 6.店主とともに店も女らしく 「黄麦堂」アルバイトから店長夫人へ    横浜
   店長夫人となって自分の店とし石川町に出した支店をとりあげています。

 「4.」のチェーン店は、是非のぞいてみたいものです。


00120/00120 CXK02012  クレイン         心地よし
( 1)   98/02/20 09:15

 「荒地詩集1951」復刻版、国文社、1500円、昭和50年刊行を取出してパラパ
ラしますと<親愛なるX・・・・。あまり人目につかぬ僕達の仕事を、好意をもって見守
ってくれる君は、今迄どのような詩によっても、心から満足したり、感動したりしたこと
がなかった
であろう。・・・・・>と巻頭『Xへの献辞』は読者に語りかけてます。
 また、同人には<・・現代の「荒地」に詩人が、なを歌いつづけてゆけるとしたら、そ
れは詩人の勝利である>と説く『現代詩とは何か』の鮎川信夫も。
 改めて申しますかが「鮎川信夫拾遺/私の同時代・エッセイ1980〜1986」文芸
春秋、1200円、1987年刊、に感心しました。本音で語ってますね。「裁判を読む
」なんか凄い。論敵が問答無用とバッタバッタ斬られちゃいます。「日本に反核特権はな
い」で反核
声明に署名しなかった理由も。いくつも推理小説の翻訳ある氏の世間解析、冴えますねえ
。他の著書もパラパラしてみましょうか。
 心地よいので小生、山本周五郎全集・第30巻のエッセイの巻も取出しちゃいました。
「小説の効用」他の大衆文学芸術論?や文学論は実にヨロシイ。痛快ですゾ。山本氏、昭
和18年には《直木三十五賞》を辞退したんです。気骨ある作家なのです。〈山本周五郎
〉はペンネ
ームで本名は〈清水三十六〉。名前でも三十五の一つ上をいっている。ペンネームでは《
覆面作家》として探偵小説シリーズも。人情に厚い「寝ぼけ署長」連作シリーズは雑誌「
新青年」昭和21年12月号より23年1月の10回にわたり、毎号掲載されました。(
6・7・8
月号は欠号。)引き続き23年2月号よりの2回分載にて「失恋第五番」でも黒林騎士の
ペンネーム。
ペンネームは他にもありまして、
「講談雑誌」にては
21年 5月「備前名弓伝」ペンネーム神田周山
21年 9月「明暗嫁問答」ペンネーム風々亭一迷
21年10月「恋の伝七郎」ペンネーム五周亭酒竹
22年10月「化物屋敷」ペンネーム風々亭一迷
23年10月「人情裏長屋」ペンネーム折箸蘭亭
25年 5月「長屋天一坊」ペンネーム酒井松花亭
25年 9月「ゆうれい貸家」ペンネーム風々亭一迷

昭和5〜6年に雑誌「少女世界」「譚海」にて俵屋宗八・横西五郎・清水きよし・清水清
・青江俊一郎・土生清三のペンネーム。

なを、「新青年」では氏の実名作品は再掲載含めて以下も。
21年 5月「花咲かぬリラ」
21年 7月「四年間」
23年12月「山茶花帖」
24年1〜3月「柳橋物語」

 氏の年譜、なかなか楽しめます。


00123/00123 KHB11772  散人             海外古書店
( 1)   98/03/05 00:42

私もつい先日、Bibliofind (http://www.bibliofind.com/)を見つけました。

私の場合は、アリアドネ(?)というページをリンク集に加えた時に、
海外古書店リストを見つけ、そこで発見しました。
私のリンク集にも、海外のどこか良いサイトを、
二、三、加えたいと、迷っているところです。

私は今のところ、洋書の通販を利用したことがなく、研究段階ですので、
もし他にも、お薦めのサイトがあれば、
ぜひご教示のほど宜ろしくお願い出来れば幸いです。

ちなみに、私はセリーヌで検索してみましたが、
Bibliofindは、かなりの数がヒットし、まさにおっしゃる通り、
数ドルのペーパーバックから、貴重書までという感じでした。
セリーヌの英訳本で、戦前(1934年)発行のアングラ本もあり、
値段もさほど高くなかったので、思わず欲しくなりました。

ところで、amazon.comを利用された方はおられるでしょうか?
私が見る限りでは、新刊本を買う場合、品揃えが豊富で、
割引率も高くて、送料も安いように思うのですが、如何がなものでしょうか?

もし、他店の話も含めて、ご利用されている方おられましたら、
ぜひ体験談などお聞かせ願えれば幸いです。

話は変わりますが、暖かくなったら、オフ会、是非やりたいですね……。

ではまた。

散人


00125/00126 GHA00250  MAL           Amazon.com
( 1)   98/03/05 14:06  00123へのコメント

散人 さん、こんにちは。

>ところで、amazon.comを利用された方はおられるでしょうか?

私は昨年の初夏から利用し始め、今ではほとんど毎日覗きに行くというAmazon中毒者
です。大体月に4〜5回オーダーします。

ここはハードカバー30%オフ、ペーパーバック20%オフの商品が多数あります。
バーゲンブックは40%オフくらいです。特別な本は割引無しです。

冬になってから知ったのですが、実はAmazonでは「Hard To Find」となっている絶版、
品切れ本も注文を受け付けてくれます。なんとAmazonが代わりに古本を探してくれる
んです。で見つかると値段の連絡が来て、「どうする?」って聞いてきます。

この、絶版本も注文可能というのを知って山のように注文を出したのですが、結構見
つかります。ただ時にはかなり値段が高かったりします。

そんな時にBibliofindを見つけました。ここだと探すのも自分、注文は在庫のある店
にバラバラに行く、メールでのやりとりも自分でやる、クレジットカードが使えない
店の場合は外国為替を作って送る、など割と面倒です。Amazonだと全部代わりにやっ
てくれますから、多少高くついても手間を掛けずにカードで買い物したい場合にはい
いでしょう。

Amazonはしばらく前に日本語で書かれたトップページと買い物の仕方を説明したペー
ジをオープンしました。きっと日本からのお客さんは少なくないのでしょう。

                                           --- 98/03/05(木) 13:56 ---
                       _/_/_/ MAL _/_/_/
                                in
  ***   FART・FTEA・FOS2・FCOMEDYS・FTRON・FSUIRI・FINTRA・FUNIX   ***


00126/00126 GHF00401  OYAGI       芥子園画譜
( 1)   98/03/07 07:44

 「芥子園画譜」という本があります。清朝康煕年間に出版された10巻の画集で、
 古今の名画を題材に、「樹木」「山」「人物」「建物」などの部分だけを取り出して
 それぞれのテーマごとに編集し、説明文を付けた本です。

 山水画を観賞する手引き、あるいは自ら山水画を描くためのお手本、そんな目的で
 発行された本で、我が国にも伝来し文人墨客に歓迎されたほか、明治初期以来、
 何度か印影本が発行されています。

 このため、比較的古書展でも見かけることがあり、価格は程度や版にもよりますが、
 1〜3万が相場です。一度はある古書展で、市民講座か奥様カレッジで「水彩画」を
 手習っているかしらん?という、若奥様が「芥子園画譜」ありますかと、案内係の方
 に訪ね、場内放送でアナウンスの後、ほどなく「はい2万円」と目の前に出され、
 「はい!」と買ってそそくさと帰られた姿を目の当たりにして「ほほ−−」と、
 感じ入ったこともありました。

 ということで、少し気になる本だったのですが、値段よりも「和装本10巻」に、
 少々ためらいを感じていたのです。
 
 ところが先日、仕事を終えて何気なく、 立ち寄った「キヌタ書房」の店内に平積み
 されて「1982年上海版洋装1巻本」がありました。紙はごく薄いものでために8
 00P近いものが46判で厚さ3センチ、しかも軽い!、それがなんと900円。
 箱は元々無い本らしいのですが、状態はまずまず。これは、いい掘り出し物でした。
 気のせいか、店長「ダンナいい買い物しましたね!」という面持ち。この店では「源
 氏物語湖月抄 講談学術文庫判揃」を文庫中古価格で買い求めたこともあり、なかな
 か相性がいいような気がします。

 しかし「芥子園画譜」。眺めて楽しいばかりでなく(たとえば「人物」では、竹林の
 七賢人ばりの人物が多種多様に紹介)、しかもコンパクトなので、それこそ「ミニコ
 ミ」用イラスト集という活用法もありそうです。

 以前にご報告した「戦前中国美人娘大判奇麗彩色ポスター」そして神田詣での後見た
 「岩波ホール 阿片戦争」に引き続き、「芥子園画譜」。今年は中国ものに目がいく
 ようです。


00128/00128 KHB11772  散人             amazon.com
( 1)   98/03/08 14:17

MALさん、こん**は。
amazon.comを、かなり利用されているようですね。
絶版書を探求してくれるというサービスは知りませんでしたが、
お話を聞いていると、相当、他社を抜きんでているのかもしれません。

amazon.comの日本語ページは、前回のリンク集の改訂時に、
たまたま見つけて、リンク先をそちらに変更しました。
サービス熱心なの現れなのでしょうね……。
読者の短い書評も、なかなか面白いサービスだと思っています。
それに、送金方法の選択肢が多いのも嬉しいことです。

私は、近いうちに注文しようと思っているですが、
為替だと手数料や郵便代もかかりますので、
おそらく、カードの番号をFAXで送信するという方法を選ぼうかと思っています。
急ぎの場合は、日本の洋書屋で注文する方が、安くて早い場合もありますが、
在庫は豊富ですし、船便で気長に待つのなら、
絶対に、amazon.comは間違いなく秀逸でしょうね……。

古書店の方では、アリアドネ(?)の海外古書店リストを見ていると、
Bibliofindの他にも、abebooks.comなどその他色々ありますが、
あそこに出ているものは、それなりに優良な所なのだろうという気がしています。

もっとも、実際に注文すれば、どんな対応が返ってくるのか判りませんので、
体験談は、なかなか貴重なものだと、改めて思っています。
また、何かありましたら、色々お話をお聞かせください。

ではまた。

散人


00129/00130 CXK02012  クレイン         寺山修司のこと
( 1)   98/03/13 15:25

 「職業・寺山修司」北川登園、平成5年刊、日本文芸社、1200円。をパラパラ。
例の<1980年7月のぞき事件>は習慣の散歩がてら、本「路地」記事の下調べをかねた
のが、原因のようです。自宅に帰り道、附近のアパート私道が通抜けできるものと思
い、足を踏みいれたのを咎められてしまった。本人には伏せられていたものの、医師で
すら余命1年とした当時の氏の体力ですから、バットを持って、窓から飛び出でた男の
もとに、しゃがみこんで、警官を待つしかなかった様子。
 巻末には年譜、著作物リスト、映画リスト(劇場用映画・実験映画)。小生、14本
ある氏の実験映画は未見ですが、どれもこれも、かなり面白そうなものばかり。
  「トマトケチャップ皇帝」(1970)
  ある日、父親に殴られた子どもが父親を刺殺する。それを合図に全国の子どもた
  ちが蜂起、子どもたちによる子どものためのユートピア建設をめざす。「大人狩
  り」をテーマにした、短編の代表作。
  「ローラ」(1974)
  ゴムベルトでできたスクリーンに映像を上映し、観客がスクリーンの中に出入り
  する。実在の人物と幻影の人物の交流を通じて、スクリーンという「禁じられた
  聖域」とは何か、を問いかける作品。
 「消しゴム」(1977)
  スクリーンの映像を消しゴムが消してゆく、記憶や過去の修正をテーマにした作
  品。「偉大な思想も、たかが一個の消しゴムによって世界から消失してしまう」。
  寺山は消しゴムのコレクターでもあった。
 「書見機」(1977)
  七メートル離れてしか読めない書物、一日に三ページしか読めない書物、読むそ
  ばから消えてゆく書物など、ありとあらゆる「読書する機械」が登場する。

 消しゴムのコレクターであった氏は<秘密結社「消しゴム兄弟商会」>を結成し<世
のためならぬ悪の消しゴムを交換しましょう。便待つ。返即。・・・東京都港区元麻布
3−12−43 演劇実験室「天井桟敷」内 寺山修司>と読者に参加呼びかけてまし
た。(「消しゴム」『月蝕機関説』冬樹社、2000円、S56年刊。
 「蒐集狂たちの謎めいた情報交換誌」『幻想図書館』1982刊、PHP研究所。)
にても自らの消しゴム他のコレクターぶりに言及しつつ、コレクターたちは、何に関心
をいだいているのかと考察してます。両冊は文庫化され、寺山修司コレクション(U・
V)、1993年刊、河出書房新社、として多分現役です。

 そもそも書物世界にては、コレクションぶりは‘狂’のつくほどの‘愛書’例が横行
しているわけですが、蒐集の対象としての書物はさておいて、本一冊の出現それ自体、
各々の著者による言葉選びの結果、すなわち言語のコレクト行為の所産でありまして、
上記『幻想図書館』類の珍奇書案内にしてもしかり、著者本人による極めて個人的な蒐
集品報告書でもあります。そもそも、アンソロジー類になりますと、他者の作品‘まる
ごと’を納める趣旨なもので、編著者によるコレクト作用そのものです。さらに、『渋
澤龍彦コレクション』全3、1984年刊〜、河出書房新社/『悪党列伝』ボルヘス、
1976年刊、晶文社、あたりでは、さらに顕著になり、この世に現れた他者の書物の
内の作品の中から著者の趣向にかなう珠玉部分のみ数行をコピーしてきます。まるで一
冊の本の姿を借りた、著者己らの蒐集陳列棚であります。極めてパーソナルな蒐集品は、
「1夢のかたち」「2オブジェを求めて」「3天使から怪物まで」、「夢の本」「幻獣
辞典」などのテーマ・タイトルに身をまかせることで、辛うじて書籍として成り立ちま
す。
 まずコレクションが先行し、そこでテーマが追従する。鑑賞する読者が存分愉しめ
る、こうした他者への公開を予め意図してのコレクションは、何とも穏便な性癖であり
ます。そもそも蒐集性癖の別の彼岸には、書籍の分野に限らずとも、他者を意図せぬば
かりか、展示すら望まぬ、自己ループに陥いる危険な‘コレクター’のあることも否め
ません。それこそ本物の‘狂’の領分でありましょうか。


00130/00130 GHF00401  OYAGI       蚤の市
( 1)   98/03/14 07:39

 何回か紹介した「愛書家交換会 蚤の市」ですが、新年第一号の3月号が発行されて
 小生の手元に先日届きました。

 もっぱら「蔵書処分家」の小生、今回も30点ほど出品です。そして届いた日の午後
 には呉市の方から直接電話が入り「東郷平八郎昭和8年吹き込み 連合艦隊解散式の
 訓示 両面鉄筆サイン入り コロンビアレコード」を是非譲ってくれとのこと。
 お話を聞くと、同地の郷土史研究家の方で、同地にあった「呉海軍工廠」のことを
 地道に聞き取り調査しているということでした。また、熱心な海軍関係物品
 のコレクターでもあり「人間魚来 回天」の第四号機(設計だけ製造されなかった)
 の設計図一部分を持っているとも話しておられました。
 このレコードは、元帥が最晩年に初めて吹き込んだもので、声は弱々しく、しかも
 つっかえつっかえの原稿棒読み状態、さらにはA面録音終了間際には咳き込む音も
 入っているものです。しかし現存する数は、SPという性格柄極めて少なくしかも、
 両面サイン入りというのは、海軍関係者に贈呈されたものという由来も推測されて、
 今回の希望となったようでした。

 古民具骨董市でイタズラで買い求めて、出品の賑わいで出したものが、ピタリと最も
 適切な方の手にお渡しできたというのは、まさに「蚤の市」冥利というものです。

 昨年の夏は、北海道でリゾート地開発の仕事をしている方で、長年探索の本を格安で
 譲ってもらえたとして、現地のウタリの方が食品添加物を一切使わず小量限定制作し
 ている「ワカサギの佃煮」をお礼です!と送ってくださいました。また戦前欧米小説
 翻訳本好き!と、小生と好みが一致する、阪神大震災で家の一部が倒壊したものの、
 ちょうど犬を散歩させていて一命を取り留めた、一人ぐらしいのおじいちゃんと、
 暮れの号で出品の本を譲ったのが縁で文通開始。氏の若き日の思いでのレコード
 「ブラッサンス パリ の詩人たち」は、小生のレコードコレクションにあり、
 ダビングしてさしあげて、さらに意気投合。

 そんな出会いが続いた昨年、そして今年です。

 蚤の市、次回の6月号は、会員名簿のデータベース化作業があり、お休みして9月号
 の発行の予定です。


00131/00132 CXK02012  クレイン         同版なのに・・・
( 1)   98/03/19 13:48

  ◎岩波現代選書46「現代伝奇集」大江健三郎、岩波書店、1200円、1980年6月24日発
行の第二刷は1980年8月1日に発行されました。この二刷、紙カバーはダビンチの手稿をあ
しらった赤カバーです。おそらく初版と同じ体裁のものでしょう。
 ところで上記二刷版には別カバー表紙本があります。小生の手元のもの、カバーデザイ
ン=内藤正人とあるモノクロ基調ものです。古書購入ですから、明白ではありませんが、
‘ノーベル賞授賞・大江健三郎’とある帯の‘大江健三郎作品’の価格表にある「現代伝
奇集」の価
格は1500円と宣伝されてます。勿論カバー、本の奥付にては1200円です。ノーベル賞
授賞時にての、お徳用残本特価といったところかも知れません。ノーベル賞授賞時、店頭
本用に帯のみ急遽配付されたものかしら?。それにしても、この第二刷版、何時にカバー
変更になっ
たのものでしょうか。ゾッキ本にする手前、模様かえなんてたまに見かけますね。そうい
えば一昔前、発禁がかさなり廃刊、ゾッキ本になった三崎書房・月刊雑紙「エロチカ」の
バック・ナンバーが、薄手単一色の色紙に張替えられて、ソロリと並んだ切には、もった
いないこと
したねって感じでした。

 ◎早川書房のポケミスNO222「夢遊病者の姪」、E・S・ガードナー、の奥付には
昭和35年6月25日4版発行、定価150円とあります。しかし裏表紙内にも発行年月
日が印してあり、こちらは昭和34年7月30日3版印刷発行、定価150円とあります
。2つの刊
行年月日です。刊行当初の他のポケミスを調べてみたら、奥付に刊行年月日なくて、裏表
紙のみに印してあります。つまり、奥付刊行年月日になった折に旧表紙をそのまま再利用
したようです。定価が未変更でよかったですね。

 ◎「愛と生の苦悩」ショーペンハウエル、人文書院。これも、奇抜な刊行年月日です。
確か昭和24年20月12日でしたからね。


00132/00132 VEB02220  天縁             早稲田に行ってきました
( 1)   98/03/19 23:14

 先日、前から行こう行こうと思いつつ、一度も訪れたことのなかった
早稲田の古本屋街に行ってきました。『PERFECT BLUE』というアニメー
ション映画を観に行ったついでに、卒論のための本を見繕おうかと思っ
たのです。

 さて、高田馬場から早稲田通りをしばらく歩くと、古本屋が通りの両
側にズラーッと並んだ風景が現れます。神田ほどではありませんが、相
当に凄い数の店が並んでいます。神田の古書店が、いかにも老舗という
感じの店構えをしているところが多いのに対して、早稲田の古書店は、
わりと庶民的な感じのところが多いように感じました。

 私は、本屋を巡る前にまず体力をつけようと、早稲田で一番の老舗、
みたいなことが書いてあった蕎麦屋に入りました。店に入ると、永井豪
やら松本幸四郎やら有名人の色紙などがいっぱい飾ってありました。私
はスタミナがつくようにカツ丼を頼んだのですが、売り切れという事で
てんぷら蕎麦を頼みました。注文するとアッという間に蕎麦が来て驚い
たのですが、てんぷらはすでに揚げてあったやつを使い、蕎麦は立ち食
いで使うような蕎麦だったので、早いわけだと思いました。出汁はおい
しかったので、やっぱりカツ丼を喰いたかったものです。

 さて、蕎麦を喰って腹がふくれた私は、とりあえず片っ端から店に入
ることにしました。最初に入ったのは、江原書店で人文系一般を扱う本
屋です。人文系の本はまんべんなくあって、値段も結構手頃です。私は、
ジェイムズ・モナコの『映画の教科書』を定価の半額以下の1500円
で買いました。別にまだ新刊でどこにでも売ってる本なので、こんなと
ころまで来て買わなくてもいいのですが、余りに安いので思わず買って
しまいました。
 さて、今度は道を渡ってまた片っ端から本屋に入っていったのですが、
何故かどこも人文系一般を取り扱っており、しかも何故か政治や社会学
関係の本が、もっと言ってしまえばマルクス主義関係の本がやたら多い
のに驚きました。何で、こんなにマルクス主義関係の本ばっかり何処も
置いてあるんだろうと謎な感じを受けました。早稲田大学というのは、
そういう大学だったのかなどと想像しながら、書店を回っていました。
 しかし、革命だの反乱だのの本がたくさん置いてあるというのは、私
にとっては結構嬉しいことで、しかも一冊の値段が安いものが多いので、
色々とそっち系統の本を購入しました。
 金峯堂は、非常に棚が汚く、本の状態も余り良くなかったのですが、
カール・マンハイムの『イデオロギーとユートピア』が800円、倉塚
平の『異端と殉教』が500円と異様な安さで買えました。文英堂は神
田の大きな古書店のような雰囲気の店でしたが、ホッファーの『大衆運
動』を500円、ジョージ・リューデの『歴史における群衆』を200
0円で買いました。また、早稲田では珍しくあまり社会学系の本が置い
てない渥美書房でも、東大出版会の現代政治学叢書の『革命』が120
0円で売っていたので、購入しました。

 しかし、早稲田に来るのは始めてだったということもあり、頑張って
片っ端から数十件の本屋を廻ったので大分疲れました。早稲田は店の数
は非常に多いのですが、結構同じような本を置いている店が多かったと
思います。神保町だと店毎に専門がはっきり決まっているのですが、早
稲田はそれと比べると似た感じの店が多い感じがしました。余り暇がな
い時に巡回する店を選択するのにけっこう悩みそうです。ま、贅沢な悩
みではありますが。
 でも、人文系一般を扱う店が多いので、私の好みと合う店が多いとい
うことと、値段が結構安めということで、これから何度も足を運ぶこと
になりそうです。これで、新刊書店と美術古書店が充実していれば文句
ないんですけどね。

                          VEB02220  天縁


00133/00133 KHB11772  散人             amazon.com
( 1)   98/03/29 14:18

先日、インターネットamazon.comにて、発注してみました。
船便で送ってもらうことにしたので、7〜8週間かかるようです。

一般の航空便の場合は発送の後、7〜21日、
航空便のあと特別に配達してもらえば、1〜4日で到着するそうですから、
お金に糸目をつけないのならば、これほど、便利なシステムはないのかもしれません。

為替を送ったりすれば、けっこう手数料や手間隙がかかりますが、
注文の時にクレジット決済をすれば、余計な手数料はかかりませんし、
私の場合は、FAXでカード番号を送ったので、おそらく電話代は数百円です。

さて、購入したものは、ロバート・パーシグ関係のもの3冊と、
セリーヌの英訳本3冊です。
いずれも、そんなに珍しい本ではありませんし、
値段的にも安い本ですので、送料を考えれば、書店で買う方が良いのですが、
京都の書店では、店頭で見かけませんでしたので、
注文すれば、若干時間がかかりますので、通販といい勝負だと思いました。

以下、購入した本の値段について、検討してみます。

---------------------------------------------------------
Ordered  Title                      Amazon Price   定価  
---------------------------------------------------------
   1     Lila : An Inquiry into Morals    6.39      7.99 
   1     Zen and the Art of Motorcycle   16.77     22.95 
   1     Guidebook to Zen and the Art o  11.16     13.95 
   1     Death on the Installment Plan   12.76     15.95 
   1     Journey to the End of the Nigh  10.36     12.59 
   1     North                           11.16     14.13 
---------------------------------------------------------
                              Subtotal:  68.60     87.56 

Amazon.comは、定価の20〜30%引きに送料プラスがプラスされます。
送料は、船便1回につき4ドル、それに1冊ごとに1.95ドル加算され、
普通の航空便で、1回につき7ドル、1冊ごとに5.95ドル加算、
特別配達で、1回につき30ドル、1冊ごとに5.95ドル加算という具合です。

私の場合は船便ですので、4ドル+1.95X6冊、計15.70ドルの送料となりました。
もし普通の航空便の場合ですと42.70ドル、特別配達ですと65.70ドルとなります。

           船便  航空  特別
本代Subtotal:         68.60  68.60  68.60
Shipping & Handling:  15.70  42.70  65.70
-----------------------------------------
Total:                84.30  111.3  134.3

もしこれらを京都の駸々堂書店などが加入するJISNETで購入すればどうなるかを
検討してみたのですが、セリーヌの『夜の果てへの旅』は品切れでしたが、
とりあえず、在庫があったと仮定して、計算します。
JISNETでは、定価X1.35、送料は100ドル以上、又は店頭に受け取りで無料ですので、
本代(定価)87.56X1.35=118.206ドルとなります。
到着日数が同じ程度の、普通の航空便と比べれば、同じようなものですが、
amazon.comの船便は格安です。

一般の店頭で買うと、さらに割高ですし、
インターネットの他の通販では比較検討していませんが、
国内書店では定価より割引しているところはないようですので、
定価販売であっても、87.56ドル、
本の種類や入手しやすさを考えても、amazon.comはいい線をいっていますし、
値段的にも割安であると言えるかと思います。

如何がなものでしょうか……。


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