格安旅行術


Q:1等車、2等車はどちらがよいでしょうか?


値段を考えれば、一等車と二等車の間にはかなりの差がありますので、 私の場合は二等車にすることが多いのですが、 快適さを求める場合、やはり一等車にしておけばよかったかなと思う場合もあります。

ヨーロッパの場合ですと、英国やドイツなど先進西欧諸国では、 二等車と言っても、日本のJRのグリーン車(旧式)以上の居住性を持った車両が走っていることもありますが、 南欧や東欧では、オンボロ車両にすし詰め状態の超満員であったり、 厳冬期に暖房が故障していて、相当悲惨な目にあったりしています。 例えば、ポルトガルでは、リスボン〜ポルト間の夜行列車で、 天井の荷棚にまで人がいっぱい乗っているような状態に遭遇しましたし、 ベオグラード〜ブダペストまでの列車では、暖房が故障した車両が多くて、 コンパートメントをさまよい歩いたこともありました。 また、トルコでは、雪害のため列車が不通となり、室内が凍り付いた車両の中で、 ほとんど食料も水もないまま、閉じ込められてしまったことがあります。 そういう場合は、一等車にしておけば、ある程度のサービスを受けられたかもしれませんし、 二等の場合でも、クシェット(簡易寝台)にしておけば、 一等車ほどの料金はかからず、ある程度の居住性は保証されるかもしれません。

アジアの場合、インドでは、一等車の上に、さらに特別クラスがありますが、 等級によって、エアコンの有無や車両の快適さがかなり異なってきます。 しかし、二等でも寝台車の場合は、そんなに悲惨な目にあったことはありませんが、 一等車でも、勝手に無関係な人が入ってきて、追い出すのに往生することがありますし、 窃盗団に遭遇して、荷物を盗られかけたことがありました。

コンパートメント形式の列車の場合、一等か二等かということにかかわらず、 どういう人と同室になるかによって、その旅は大きくかわってきます。 喧しいのとと図々しいのが一番の迷惑ですが、 一等二等の区別なく不愉快なことは起こりますし、 味わい深い出来事もあります。 例えばインドでは、二等車で個人旅行の欧米人と一緒になれば、 味わい深い旅になることがありますし、 うるさい日本人と乗り合わせれば最悪の事態に陥ることもあります。 と言っても、取り立ててすべての日本人旅行者が悪いというのではありませんが、 同国籍の人間であるというだけで、 下らない自慢話や「武勇伝」を延々と聞かされ、 「せっかくだから、あそこに行け、あれを食べろ」と説教されたり、 厚かましく親切を期待されるのがうんざりだということです。 個人旅行者の原点はあくまでも自己決定−自己責任ですので、 異国で出会った嬉しさもわかりますが、 それなりに考えてもらいたいものだと思います。 インド人そのものの傾向では、二等よりも一等に乗る人の方が、 淡泊な人が多くてつき合いやすい気がしました。

日本のガイドブックの中には、二等車こそ、本当のその国の姿を知ることが出来るし、 旅人同士の本物の触れあいがあるのだと書いているものがありますが、 よく考えれば、そうだという根拠は何もありません。 (そもそもその国の本当の姿とは何なのか?、厚かましく偽善的な人間関係を本物の触れあいだと 思っている可能性はないのか?と言ったことなど、色々考えられることです。) そのうえ、英国発行のガイドブックの中には、 一等車に乗ると、その国のエリートと知り合うことが出来るし、 また、洗練された旅人と仲良くなれば、 行く先々で一流のもてなしを受けることが出来ると、書いているものもあります。 おそらく英国人特有のブラックユーモアではありますが、 あながち、まったくのでたらめではありますまい。 一等であろうと二等であろうと、どちらが本当の姿であるとか、 どちらに乗る人が本物の旅人であるとか、そういった議論はまったく無意味であり、 お金があって、快適に旅をしたいと思えば一等に乗ればよいのであり、 お金がなければ、二等に乗る、ただそれだけの話です。 また、一等の雰囲気が好きか、二等の雰囲気が好きかというのは、 あくまでも選好の問題であるといえましょう。


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旅は風雅の花 風雅は過客の魂 (許六)
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