まずは盗難について考えれば、かなりの部分は、注意力の問題です。 いかにもお金を持っていますという風体で歩いたり、 貴重品の管理に甘かったりするのは言うに及ばず、 その場その場の微妙に漂う危険な雰囲気を察知することは非常に重要です。 スリや置き引きならば、人混みに注意する必要がありますが、 単独犯よりも、グループによる犯罪の方が手強いのですが、慣れてくればどこかその徴候が察知できます。 私が危うく難を逃れたのは、まずはポルトガルで、バスの乗車時にスリ団とおぼしく団体に囲まれましたが、 すぐに危ないと気づいたので、もみくちゃにされながらも何も取られず、 ロンドンでは地下鉄のエスカレーターで、わざとコインを落として、人の注意を引きながら、 別の男が後ろから来て人のかばんを物色しようということがありましたが、 これも危うく難を逃れました。 また、インドでは、列車のコンパートメントに、盗賊一家が乗り混んできて、 彼らの連係プレイで、一度はかばんを持って行かれたのですが、 警察を呼んで、素速く取り戻してもらえました。 この時は、危ない雰囲気を感じてはいたものの、 ハッシッシビスケットを食した後であり、 しかも、同行者がいて注意が散漫になっていたので、 これは完全に危ないところでした。
詐欺についても、私自身は直接の被害はありませんが、 カモにされたというのはよくある話です。 詐欺師というのは、英語か日本語が流暢であり、 たいていは、非常に親切なようです。 この人は今、騙されているところなのだろうなという場面に遭遇したことはありますが、 実際のところは、詐欺なのか、本当に善良な人だったのか、私の知るところではありません。 その時思ったのは、仮に善良な人だったとしても、 その善良さに甘えようという下心さえ起こさず、 ギブ・アンド・テイクの原則を守っていれば、 詐欺などには滅多にあわないだろうということでした。 とは言え、日本の日常社会では、こちらの善意につけ込んで、 ほとんど詐欺に近い目に遭わされることがよくありますが、 何とも油断がなりません。 それゆえか、私の場合は、旅先でも日常でも猜疑心が強くなっているのかもしれません。
病気については、無理な行動をせず、十分に休息するようにしていれば、 滅多にかかるものではないと思っています。 私の場合、小学生〜高校生の頃はよく病気をしていたのですが、 ここ10年以上、歯痛を除いて、医者にかかったことはありません。 今でも体が丈夫だとは断言はできませんが、 どういう訳か、医者にかかるような病気にはならないのです。 何かの宗教に入っているとか、特殊な健康法を実践しているのではなく、 ただ私が気をつけているのは、無理をしないということだけです。 だからといって、徹夜で本を読むこともあれば、夜行列車に連泊をすることもありますし、 一日何も食べないこともありますが、体調を崩してしまうことはありません。 気分がすぐれず、一日ごろごろしていることはあるのですが、 ごろごろしているうちに、それだけで気分が良くなってきます。 旅先でも、自分の体の声、心の声に耳を傾け、 その声に逆らわずに、無理をしなければ、病に倒れることはないように思っています。
この他、交通事故や強盗、テロの爆弾、銃撃戦の流れ弾など、様々な事故が考えられますが、 交通事故を除いて、これらは不可抗力であり、諦めるしかありません。 しかし、注意力を発揮して、無理をしなければ、案外危険は低減するように思われます。