続欧州旅日誌 1988年
《続欧州旅日誌》目次
- [再び欧州へ]
- [ドイツ]
- [ドイツ〜オーストリア]
- [オーストリア〜チェコスロバキア]
- [チェコスロバキア〜ポーランド]
この連載は、『探索』一九八七年春季号から一九八九年春季号まで連載された《欧州
旅日誌》(一九八七年二月から四月にかけての旅)に続く、連載紀行文として、一九
八八年二月から四月にかけての旅の記録をもとに執筆されました。この旅の翌年、私
は大学を卒業と同時に、バブル経済に浮かれはじめた日本を逃れて、約一年間、ロン
ドンを拠点に欧州に滞在することになりました。卒論のタイトルは、「隠逸思想の研
究−−ポストモダンの可能性を探って−−」というものでしたが、西行、兼好、長明
といった日本の隠者文学の思想を、ハイデガーのいう「死への先駆的可能性」が、人
間の本来性、個別性を取り戻すという思想で読みときたいという試みでした。その思
想史的妥当性はともかくとして、私の旅は、そういった思想をベースにした、<ここ
>ではない<どこか>へ向かっての、探索の旅であったように思われます。そして、
今、その<ここ>ではない、<どこかへ>という精神の方向性の正しさを再認識しな
がら、インターネットでの旅を続けています。
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